「打倒!小1の壁クエスト」第10話。まだまだ続く!小1の壁はエンドレスか!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性、学童保育のあらゆる問題の解決を訴えています。

 「打倒!小1の壁」クエストです。主人公は、来春にお子さんが新1年生となるご夫婦。小1の壁に困らないよう、ちょっと早めに動き始めたはずでしたが、世の中って厳しいです!

 ~打倒!小1の壁クエスト~第10話:まだまだ続く!小1の壁はエンドレスか!

(前回までのあらすじ)小1の壁に跳ね返された勇者夫婦。学童保育所に入れない子育て世帯はどれほど苦労するかをハギに聞いてさらに絶望。ただ、幸運なことに、追加でなんとか入所ができたようです。さすがフィクションの世界!

 なんとか追加入所を果たした勇者夫婦。3月に、入所が決まった学童保育所で行われる事前説明会に出席することになりました。そこで、具体的な学童利用方法について職員から説明があるとのこと。説明会は平日の夜、学童保育所で実施されます。

勇者ママ「説明会に行きたいけれど、この子を連れて行くのはちょっと無理。なんで平日の夜なのかしら。オンラインで、できないのかしらね。パパ、頼んだわよ」
勇者パパ「仕方ないね。オンラインでやってくれればいいんだけどね」

 さて開催日。いそいそと説明会に出かけた勇者パパ。会場となった学童保育所には、ママが多いながらも、数人、父親らしき人もいました。世帯にして十数世帯あるでしょうか。この人たちは運よく、小1の壁を突破した人たちか。こっちはギリギリだったもんな。いろいろな思いが勇者パパの胸に浮かんでは消えていきます。

職員「説明会を始めます。お手元の資料に沿って説明します」
 配られた説明書の内容をひたすら、職員が読み上げていきます。慣れた口調に、ベテランの雰囲気が漂っています。話の折々に、何年かぶりにここに戻ってきた、ということが出てきます。どうやら、新年度からこの学童保育所に配属される方のようです。
 職員の隣には、保護者らしき人が座っています。職員の説明の合間に、口をはさんで補足説明します。どうやら、「保護者会」の会長さんのようです。こちらもベテランの学童保育所ママ、という雰囲気です。

 「お迎えは基本、午後6時までです。やむなく延長の方は事前に申請してください。午後7時を過ぎると学童保育所は閉所します。閉所時間を過ぎた方には別途、追加料金の支払い義務が生じます。これを1か月に3回を超えると、つまり4回目になりましたら、来月からは学童保育所の利用ができません。退所となります」
 やはり厳しいんだな、と勇者パパ。職員の説明に、会長さんが追加します。
「いいですか、職員さんの定時退勤に協力してください。定時退勤ができなければ残業になります。それを防ぐために必ず午後7時までに迎えに来てください!」

(うわ、職員よりさらに厳しい)と勇者パパはびっくり。

 話は保護者会の説明に移りました。「みなさんは学童保育所に入所すると同時に自動的にこの学童保育所保護者会の会員となります。会費は毎月500円を半年ごとに集金します。やむなく途中退所しても集金分は返金できません。保護者会は、職員と協力して、この学童保育所の運営に参加することになります。新1年生の保護者さんにはいきなり役員はまずないでしょうが、少なくとも必ず1つの係担当にはなりますのでご理解ください」

 それを聞いた勇者パパ。思わず「質問があるんですが」と手を挙げました。
「保護者会に入りたくない人は、どうなるんですか?集会結社の自由は憲法で決められていて、それは不参加においても自由が守られているはずですが」

 職員は困った顔で、隣の会長を見ました。それを受けた会長は厳しい口調で、「入らないことはありえません。そういう決まりになっています」とビシッ!長い話になんとなく、よどんでいた部屋の雰囲気が一瞬にして凍り付きました。

勇者パパ「あの、私は、保護者会に入りたくないわけではないんです。入所が決まったら保護者会に入ることに異議はありません。ただ、基本的な世の中のルールとして、今はPTAもそうですが、団体に入る、入らないについては、決定権がちゃんと個人にあることが普通だと思っているので、お尋ねしたのですか」
会長「それはそれ。学童は学童です。学童のルールに従ってもらいます。入らない人は今までいませんでしたから」
勇者パパ「いや、学童も、社会の一般的なルールに従うことが当たり前だと思うのです。その一般的なルールの枠内で、学童でのルールは決められるべきだと思いますが。それに、入らない人が今までいないから正しかった、ということでもないと、思うのですが」
会長「そういうことは議論しません。決まりは決まりです。従っていただかないと困ります」

(なんなんだ、この、学童独自の世界観。決まりは決まりというのが学童の常識なら、それは社会の非常識だよなあ)と思いつつ、勇者パパは「そうですか。では、のちほど、市役所にも問い合わせてみますね」と言ってしまいました。

 すると、いままで黙っていた職員が口を開きました。
「そういうことは私たちの迷惑になるので、やめてください」
勇者パパ「職員さんには迷惑をかけるつもりはないですから。保護者会って、いわば、保護者の集まりですよね。任意団体というものです。ただ、保護者会費を集める、会長さんもいる、ということであれば、それは世間でいうところの、権利能力なき社団であって、任意団体といえども、種々の世の中の法律やルールに従うことになるのです。それぐらいは市役所の方も分かるでしょうから、その点において、確認はしておきたいと思っただけです」

 苦虫を嚙み潰したような顔の会長さん。これはこれからも、何かが起こりそうな予感がします。帰宅して、勇者ママに事の顛末を報告すると、ママは「なんかもう、入る前から、私たちはもう、敵みたいなイメージ?学童ってなんでそんなに不思議なの?」と呆れ顔です。
 この、「学童の常識は世間の非常識」も、「見えざる小1の壁」かもしれませんね。さてこの後、勇者夫婦は4月を迎えることになります。小1の壁は、まだまだたくさん登場するはず?「打倒!小1の壁」のクエストで、小1の壁について学んで一緒に打倒法を考えましょう。(たぶん続く)

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育に関連する多くの問題、小1の壁の問題解決や、保護者の負担感といった学童保育に立ちはだかる多くの問題の解決について、学童保育の運営に関して具体的な実践と経験を積んだ代表が、具体的な解決策を提示することが可能です。

 学童保育の運営についても、育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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