「こども誰でも通園制度」があるなら「こども誰でも学童制度」も将来は行うべし。放課後児童クラブの多機能化を!

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。放課後児童クラブを舞台にした(とても長い)人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
 いわゆる「こども誰でも通園制度」がいよいよ令和8年(2026)年度から始まります。この制度については現場の不安が大いにあるようですが、わたくし萩原はこの制度の趣旨自体は大賛成です。そして将来的には、放課後児童クラブにも同様の制度を設けてほしいと希望します。その際には、放課後児童クラブを利用する際に事実上課せられている、保護者の留守要件を撤廃して、「子育てにおいて児童クラブからの援助、支援が必要な保護者が、児童クラブを頼れるようにする」制度、仕組みに替えていってほしいのです。
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 (※基本的に運営支援ブログと社労士ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブは、いわゆる学童保育所と、おおむね同じです。)

<こども誰でも通園制度>
 わたくし萩原が加入している埼玉県社会保険労務士会には、別の組織である「埼玉県社会保険労務士政治連盟」という組織があり、もちろんわたくしも加入しております。通称「せいれん」ですが、このせいれんが昨日2026年3月17日に、ウェブ研修として、こども家庭庁の幹部と、自見はなこ議員をゲストに、子育て支援政策について説明する機会がありました。もちろんわたくし参加しました。とても貴重な機会で、実にありがたかったです。
 このウェブ研修ではこども家庭庁の施策について幅広く紹介がありましたが、その中でも、「こども誰でも通園制度」と呼ばれる「乳児等通園支援事業」には、やや時間を割いて丁寧な説明がなされました。こども家庭庁の方からは「この制度を使って保護者の方が、ちょっと育児の時間に休憩を取ってリフレッシュすることができます。それは日々の子育てにとってとても良いことになるでしょう」という趣旨の説明があり、わたくしも同感でした。

 では改めてこの、こども誰でも通園制度の紹介をします。こども家庭庁が作成して公表している資料には次のように記載されています。
〇令和6年6月に成立した子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律により、月一定時間までの利用可能枠(月10時間)の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付として、こども誰でも通園制度を創設
〇全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化

 令和6年(2024年)度は試験的に118自治体で実施。こども1人850円の時間単価でした。令和7年(2025年)度は法律上制度され、自治体の判断で実施することとなり252自治体が実施しています。時間単価は0歳児1300円、1歳児1100円、2歳児900円とのことです。
 そして令和8年度からは法律に基づく給付制度として全自治体で実施され、時間単価は案ですが0歳児1700円、1・2歳児は1400円とのことです。
 0歳児(0歳6か月)から2歳児のうち、保護者の就労要件が無い、つまり保育所等の利用が無い世帯のこどもが対象です。就労要件が無い3歳児以上は幼稚園に入れます。この、制度上において利用できる仕組みが無かった、保護者の就労要件が無い0歳児(0歳6か月)から2歳児を対象とする制度、ということになります。こども家庭庁の資料には「・就労要件を問わない ・月一定時間までの利用可能枠(月10時間)・時間単位の柔軟な利用」と、記しています。

 ウェブ研修ではまったく言及はありませんでしたが、萩原個人的には、急激な少子化で小規模の保育所がその経営危機に直面しつつある中での、そうした事業所の救済措置の側面もあるのかなと感じていますが、0歳児から2歳児の育児に日々、向き合う保護者の肉体的精神的双方の疲労、ストレスを思うと、孤立した子育ていわゆる孤育てにならないように、この、こども誰でも通園制度が大いに有益ではないかと感じます。いろいろ問題はあるのでしょうが(単価が低すぎて経営上、持ち出しが多い等)、そこはこれから国がしっかり制度改善をしてくれればよいのではないでしょうか。

<放課後児童クラブは?>
 少子化に直面するのは放課後児童クラブも同様です。ただ、保育所とはかなり異なる面もあります。
「待機児童は児童クラブの方が格段に多い。現状1.6万人もいる」
「都市部を中心に待機児童がまだまだ出ることは確実」
「待機児童ゼロの地域でも、ギュウギュウ詰めの大規模状態が当たり前のように存在していて、こどもの生活する環境にふさわしくない施設が相当数ある。全児童対策事業なんてまさにそう。つまり量的整備はまだまだ途上にある」
「児童クラブの利用は、小1では2人に1人、小学生全体では4人に1人。この割合をどうみるか。地域によっては小1のほとんどが児童クラブを利用している。小4の壁に代表される、高学年の利用ニーズへの対応が致命的に遅れている中で、小学生全体の利用の割合が本当は3人に1人、いや将来的には2人に1人となれば、量的整備がもっともっと必要ということになる」

 これらは、「余剰の運営能力で、児童クラブに登録していないこどもを受け入れるなんて、とてもできない」ということを意味します。都市部を中心に、登録をしてないこどもを受け入れる「こども誰でも学童制度」は、まだまだその実施可能性は低いでしょう。

 しかし、都市部以外では児童クラブの利用率、登録率が徐々に上がっていっても、受け入れ能力がある施設はきっとでてくるでしょう。現に、人口の少ない地域では、児童クラブの入所に保護者の就労要件、家庭が留守であることを問わないという自治体も、わずかですが存在しています。このあたり、児童クラブについては「地域の実情に応じて」という文言が児童福祉法にあるゆえ、児童クラブの運営についての裁量が自治体にあるので、今時点でも、「こども誰でも学童制度」は可能といえば可能なのです。地域の実情に応じてというのは、受け入れを小学4年生までにするとか、土曜日は閉所するとか、どちらかといえばマイナス面に働きかねないあいまいな制度のゆるみの部分ですが、逆にそれを活用してプラスの運営にもっていくことだって、できるのです。この点は、自治体の取り組み次第ですね。

<運営支援は提言します>
 今を超えるはるかに急激な少子化が到来することはもうわかっています。2024年の出生数はがくんと減り、そして2025年の出生数もまたがくんと減ることが予想されています。女性の就労率の上昇や、児童クラブを利用するのが当たり前という意識のさらなる広がりを持ってしても、多くの地域では児童クラブの待機児童が減少傾向をはっきりと示すことになるでしょう。
 今の時点で待機児童がなく、クラブもギュウギュウ詰めではない地域は、もしかすると「スカスカ」の児童クラブになるかもしれません。もっとも、学校の統廃合で地域のこどもを集約して1つの学校にすると、児童クラブは1施設複数単位になることも当然にありえます。ただそうであっても、2単位だったのが1単位になる、というように急激に登録児童数が減ることは、地方を中心に急速に進行する可能性があると、わたくしは想像します。

 そういうことになる前に、先手を打って、「児童クラブの入所要件」から保護者の就労等の要件を無くし、保護者の希望があれば児童クラブを利用することができるようにするべきです。今ですら、地域の実情に応じてどんな児童クラブだって運営できてしまうのですから、自治体が決断すればできるでしょうし、こども家庭庁も通知通達で後押しすればよろしい。

 「こども誰でも学童制度」の目的は子育て支援であり、子育て支援の専門職が関わることによる、保護者と連携しても子育てを実施することで、こどもの健全育成に資することです。保護者の精神的な負担を軽減し、子育ての悩みを児童クラブで受け止めて、保護者と児童クラブが一緒に子育てをすることです。
 「そんな制度ができたら、預けっぱなしの保護者が増える」と危惧する現場の方々は多いでしょうし、むしろほとんどの現場の人が不安になり、反対するでしょう。「こども誰でも学童制度」の利用者には事前に面接面談で家庭における子育ての状況をしっかり聞き取っておくこと。利用時にも当然、保護者と児童クラブ側は簡単でもいいのでコミュニケーションをとること。それを半ば義務付ければ十分でしょう。まして、こどもを預けっぱなしにする保護者を目の当たりにして、「これはいったい、どうしたらいいのか」と思わない支援員は、わたくしはあえて言いますが、支援員失格です。そういう保護者の姿勢を変えることができるかできないかは結果論ですが、少なくとも「もっと親子で過ごす時間について考えてみませんか?」と働きかけることはできるでしょう。
 なにより、そういう子育てにある意味、無関心の保護者のもとで過ごすより、児童クラブでこどものことを常に真剣に考えている職員の気持ちに包まれる時間があるほうが、こどもにとってより最前の利益になるものだと、わたくしは考えますがね。

 まだまだ待機児童が出る地域や、ギュウギュウ詰めの児童クラブがいっぱいの地域では、とてもとても「誰でも学童」なんて考えられないでしょうが、目の前のことだけ見ているのは、こと、自治体の担当者や民営クラブ運営事業者の経営陣にとっては無為無策です。無能です。たかだか5~6年後には、こどもの数は目に見えて減っていく時代がやってくるのです。そのときに、施設の有効活用、つまり利益を生み出し続ける施設であることを維持することと、職員の雇用と生活を守るために、既存の資源を活用して実施できる事業を興すことこそ、重要です。

 児童クラブ側は、もう今からでも、将来を見据えて「こども誰でも学童制度」の実施に向けて考え方を整える必要があります。どのようにすればこどもも保護者も施設側も行政もメリットがあるのか、難点はどういうことなのかを議論し、実施に向けて機運を盛り上げていく必要があります。

 まずは「こどもを学童に入れるのは子育てをさぼっている」というようなあまりにも下劣な偏見を一掃することですね。「すべてのこどもはできる限り親元にいたほうが良い」というのも個々のケースによって様々で一概にそうは言えないことは、こどもに関わる立場の者であれば当然に理解するべきです。そのあたり、児童クラブの世界は考え方が雑過ぎるとわたくしは残念でなりません。100人のこどもがいれば100通りのその子にあった、その家庭に適した子育てスタイルがあるものであって、そのうちの1つが児童クラブであり、将来的には「こども誰でも学童制度」であっていいと、わたくしは信じるのです。

 「こども誰でも学童制度」、すぐにでも真剣に考えていくべきです。 

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 New! 日本版DBS制度について相談したい事業者さんにぜひともお勧めします。さいたま市南区の「エリーネ行政書士事務所」(https://www.eri-ne.com/)さんのご紹介です。行政書士の入澤えりな先生が、日本版DBS制度を中心に児童福祉施設や児童福祉の事業者様からのご相談に対応してくださいます。日本版DBS制度以外にも遺言作成・相続、介護タクシー等をメインにご相談に応じているとのことです。営業時間は平日9:30~17:00で、土日祝は応相談とのこと。ぜひ、困り事がありましたら頼ってくださいね。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

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萩原和也