鬼は外!節分ですね。不審者対策や各種トラブルを考えたとき、広域展開事業者の指定管理者運営に不安あり!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育の問題や課題の解決に向け、ぜひ皆様もお気軽に、学童保育に関するお困りごと、その他どんなことでも、ご相談やご依頼をお寄せください。講演、セミナー等をご検討ください。

 本日2月3日は「節分」。季節の分かれ目ということで、年に4回あるわけですが、立春の前の2月3日の節分だけが目立ちますね。恵方巻を今日食べる、豆まきをする、もしくは登所児童が多い昨日に節分の行事を済ませた学童保育所もあったでしょう。私は昨日、書籍の取材のため北海道札幌市の「イルカ児童育成会」の方にオンライン取材をしたのですが、節分の準備をしていますということでした。
 本題に入る前に1点、申しましょう。節分など季節の行事、伝統行事を学童保育所で行うことは素敵なことだと私は思います。むろん、行うクラブが良くて行わないクラブは今一つ、だなんて思いません。それぞれのクラブの方針があって、行事は家庭で存分に楽しんで、という方針はそれはそれで良いものだと思います。私が気にするのは、豆まきにしろ、恵方巻を食べるにせよ、行事、イベントは子どもたちにとって楽しい時間なので、「のどに食べ物を詰まらせる」など、いわゆる「行事食」を食べるときに事故のリスクが高まるということです。豆も、低学年ならたくさん食べるとのどに詰まるおそれがありますし、「子どもはとにかく、穴に突っ込む」習性がありますから、耳や鼻の穴に豆が入ることもあります。恵方巻も、それほど流動性が高くないので、のどに詰まらせる可能性があります。あとは、アレルギーですね。具材が多いですから。
 学童職員は、せっかくの楽しい行事の時間を大事にしようと準備にそれこそ根をつめて余念がないと思いますが、行事の終わりは「子ども全員が、降所した後」です。準備に神経を集中して、いざ行事が始まると子どもたち任せ、ではダメです。行事の最中に職員がピリピリしていると子どもたちが楽しめないという気持ちはあるでしょうが、見た目は和やかに、内心は「危ないことは起きそうにないか、起きていないか」を常に素早くキャッチできる姿勢で、いてください。何かあった時、「初動体制」の有無と充実の度合いで、万が一の時、人の命を救えることができますし、命が救えなくなることもあるのです。

 さて本題です。学童保育所は子どもにとって安全安心な場所であるべきです。子どもに加えられる危害を未然に防ぐことも、職員、そして事業者の重要な職務です。その点において気になるのは、指定管理者制度によって広域展開事業者が運営する学童保育所(この場合は、放課後児童クラブ)が増えていることです。その何が気になるのかといえば、「おおむね、広域展開事業者の運営による学童保育所は、人手不足が著しいので、同じ企業が運営する近隣のクラブの職員や管理職がシフトの欠員を埋めるために勤務することが多い。クラブに所属していない、応援でやってくる職員が、果たして、普段からあまり接していない子どもたちの避難誘導や安全確保などが、充分にできるのかどうか」ということです。

 要は、そのクラブに配属されてずっと子どもたちと一緒に過ごしている職員なら、配属先のクラブに在籍している子どもたちのことを通常なら把握しています。また子どもたちも、同じように、「この人は学童の先生」と認識できましょう。ところが、大体において雇用労働条件が劣る広域展開事業者の運営では、退職や離職などで欠員が生じているクラブがあるときに、他のクラブから人を応援で勤務させます。応援でいつも勤務するクラブではない場所で働く職員にとっても、そのような職員を迎え入れる子どもたちにとっても、あまりお互いをよく知らない存在です。そのような関係性で、危急時に、誰1人として取り残す、取り残されることなく、避難ができるのか、身の安全の保障ができるのか、私は極めて疑問視しています。危急の時でなくても、例えば近くの公園で外遊びをするときにも不安があります。子どもから見たら「あの制服の人がうちの学童の人だ」ぐらいの認識は持てても、逆に、応援でやってきた職員からは「この公園で遊んでいるのがうちのクラブの子。はて、あそこにいるのは誰だろう?」という認識になることも大いにあり得るでしょう。その結果、急にクラブに戻らなければならなくなったとき、子どもを置き去りにしてしまう可能性だってあると私は不安になります。学童の子どもが、小学校が同じでクラブに入所していない子どもと、たまたま出会ってそのまま公園の隅っこで遊んでいてちょっと公園から出てしまったということは、ありがちです。応援でやってきた職員がそのことに気付けるでしょうか。
 「いや、そういうリスクを減らすために、外遊びはしません。すべて室内で過ごします」という方針となるかもしれません。確かにそうであれば、見落とし、置き去りのリスクは最小値になりますが、それが果たして子どもたちにとって適切な遊びと生活の場として学童保育所を機能させていることになるのかどうか、私は疑問です。

 営利の広域展開事業者は、職員に制服を着させて業務に当たらせることが多いようです。つまり、個人としての「学童職員」の認識が子どもたち、保護者、学校の教職員に欠けるために、制服という記号を使って学童職員であると認識してもらうわけです。地域に根差した学童保育所の運営事業者によるクラブでは、そのような制服による識別をしているところは、あまり聞いたことがありません。遠足やキャンプなどの、所外行事のときに、子どもたちの識別を容易にするため「おそろいの帽子、キャップ」をかぶらせる、あるいはシャツを着させるということはあります。制服を着ないと学童職員として認識してもらえない状態は、子どもの育成支援を行う立場の支援員にとって、果たして効果的な支援ができるのかどうか、私は大いに疑問です。

 市町村の担当者に問いたい。「学童職員の人的管理体制を指定管理者の選定基準とするなら、シフトの欠員を他のあちこちの施設から相次いで呼び寄せた応援の職員で埋めることが、安定した人的管理体制として評価していいのですか?遠くの市町村でいつもは勤務している職員が入れ代わり立ち代わりやってきて、子どもたちがよく知らない、安心感を持てない職員が子どもたちの育成支援に当たったとして、それで十分と思うのですか?」
 広域展開事業者に問いたい。「職員が足りなくなったら、すぐに補充ができますとアピールするのは、要はそのような状態が恒常的にあるわけでしょうね。バックアップ体制は完備して当然ですが、アピールするべきことは、他の事業者よりはるかに優れた雇用労働条件ですからほとんど欠員が出ません、ということのはずです。そして、やむなく欠員を応援で埋めるときは、応援で配置される職員は、相当な回数、そのクラブで時間を過ごしているので子どもたちにとって顔なじみの職員を配置することとしています。避難訓練にも一緒に参加している職員ですとなぜ言えない。どうして、そんな簡単なことができないのですか?」
 保護者にも問いたい。「子どもを支える職員は、誰でもいいんですか?」

 学童保育の世界には、鬼がいっぱい。その鬼を一刻でも早く退治したいと、私は心に決めています。そのために、誰であろうと、おかしいことはおかしいと疑問を投げかけます。子どもの最善の利益を守るために必要な職員の雇用と労働を守り、保護者の子育て生活を支えるために欠かせない学童保育所の充実と発展のため、引き続き、あらゆる観点で意見を発信して、鬼が巣くうこの学童保育の魑魅魍魎(ちみもうりょう)を追い出して学童保育の世界を変えていく覚悟です。そして機会をいただければ、運営者や職員に、私の考え方を丁寧にお伝えできます。

 育成支援を大事にした学童保育所、かつ、社会に必要とされる学童保育所を安定的に運営するために「あい和学童クラブ運営法人」が、多方面でお手伝いできます。弊会は、学童保育の持続的な発展と制度の向上を目指し、種々の提言を重ねています。学童保育の運営のあらゆる場面に関して、豊富な実例をもとに、その運営組織や地域に見合った方策について、その策定のお手伝いをすることが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。萩原は2024年春に「知られざる学童保育の世界」(仮題)を、寿郎社さんから刊行予定です。ご期待ください!良書ばかりを出版されているとても素晴らしいハイレベルの出版社さんからの出版ですよ!

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