学童保育の組織運営者が、今やることは「新規採用者への適切なフォロー」。五月病で片づけるな。
学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。
大型連休が終わると、あちこちで耳にしたり目に入ってきたりする言葉が「五月病」です。五月病とはそもそも何でしょう。厚生労働省のウェブサイトに、「こころの耳」と題したコーナーがあり、そこに解説されています。以下、引用します。
「ゴールデンウィーク(春の大型連休)を過ぎた頃に注意が必要なのが、「五月病」です。新入社員や人事異動など環境変化のあった方が、新しい環境への適応がうまくいかず、なんとなく体調が悪い、やる気が出ないなど心身に不調があらわれる状況を言われています。五月病は正式な病名ではありません。医学的には、「適応障害」、「抑うつ状態」などの病気と関係があるとされることが多いです。」(引用ここまで)
子どもにも同じように心身の不調を訴えるケースが多く、学童保育所の退所申し込みも増えるのですが、今回は学童保育で働く人について取り上げます。
私も過去、学童保育の組織運営に関わってきたので、4月に新採用された職員が5月以降、元気がなくなったり休みがちになったりする現象に直面してきました。五月病だよね、という言葉が飛び交っていたものです。厚労省のサイトにある解説のまさにその通りで、4月は緊張もあって気が張り詰めていたところ、大型連休で仕事から離れて一息ついたところで、再び職場に戻ることに不安を覚えてしまったり、仕事をする意欲が急に減退したりするものです。(新人でなくても、そうなのですから、新人ならなおのこと、ですね)
学童保育所の現場は、どこもかしこも慢性的な人手不足のところが多く、せっかく、なんとか採用した人材が、このまま離職してしまっては、業務執行に多大な影響が生じます。採用に費やしたコスト、新人教育に費やしはじめたコストが無駄になり、また新たな採用コストを負わねばならないのは事業体の経営、運営にとっては絶対に避けたいところ。まして、放課後児童支援員として配置基準に計上している新人が退職となったら、補助金交付額にも影響します。なんとしても、五月病を契機にさらにメンタルヘルスを悪化させて離職、という最悪の事態は避けねばなりません。もちろん、学童保育所の子どもたちにとっても、新しい先生とこれからいっぱい遊べると思ったら、夏休み前に退職でいなくなってしまった、とあってはがっかりです。
学童保育所の組織運営者は当然、新採用職員の研修、教育担当者や、新採用職員と同じチームで働く先任職員は、適切なフォローをすぐに行う必要があります。間違っても「五月病だから、自分で乗り越えられなきゃ、学童保育の仕事は務まらない」と、本人の自助努力に押し付けるやり方は、絶対にしてはいけません。
ですが学童保育の世界って、実はそういうことがありがち。育成支援(保育)は最終的に個人スキルに業務の質を負わせる風潮がいまだに根強く、結局は個人の頑張り、個人の努力に押し付けてしまうことが多いと私は感じています。前近代的ですね。そういう意識を完全に取り払い、採用した職員がそれなりに自信が持てるようになるまで、伴走型の新人職員、新人研修を行わねばなりません。
袋小路に入り込みつつある新採用職員を元気づけ、励ます方法はいくらでもあります。その事業所ごとに適したやり方をすぐに実行するだけ。面談のやり方にしても、各種の方法があります。
こういうとき、メンタルヘルス専門の産業医をしっかりと確保している学童保育所の事業所は有利です。何度も指摘していますが、産業医や衛生委員会のような法令で一定基準の事業場で設置が義務付けられている施策すら、学童保育業界はまともに取り組んでいませんから、そもそも、働く人を組織として大事にしようという意識が少ない、残念な業界です。そういう風潮こそ、真っ先に撲滅することが本来は必要ですね。
「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育所で働いている人のメンタルヘルスを支える的確な運営手法に関して、その事業体の特色にあったアドバイスができます。職員の計算外の離職を防止することは、組織の維持存続を図る上で当然のことであり、それもまた、組織運営上のリスクマネジメントになります。
学童保育組織運営にかかる様々な課題、問題について、豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。
子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも職員の雇用と質の高い業務の実現、そして子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。
(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば、当ブログの引用はご自由になさってください)