学童保育をアップデート。「学習機会提供支援」を、前向きに考えよう!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性、学童保育のあらゆる問題の解決を訴えています。

 本日(9月21日)、私は福島県浅川町の「あさまる児童くらぶ」さんのご理解を得て、お子さんの受け入れの様子を取材させていただきました。これからの学童保育が目指していくべき1つの方向性があると思ったからです。予想にたがわず、とても素敵な学童保育所でした。詳しくは後日、出版予定の書籍で紹介いたします。

 あさまる児童くらぶさんはその開所の目的の柱の1つとして、子どもの学習の機会を提供し、かつ、学校の授業の予習や復習にも積極的に取り組んでいます。施設を開所して運営されているのは元教員のご夫婦。勉強への苦手意識から、学校で過ごすことが苦痛になってしまった例をたくさん見てきました。学習の機会を提供して丁寧にフォローすることで、学習が苦手な子どもたちの居場所として活用してくれれば、という思いで私財をなげうって学童保育所を開設したとのことです。

 私はその思いにとても心を打たれました。「すごいな!」と頭が下がる思いです。

 学童保育の世界でも、学習支援を中心事業とする民間学童保育所が活況を呈しています。また、放課後児童クラブであっても、学習支援の教材を導入して子どもたちの学習フォローを行う施設も、都市部を中心に登場しつつあります。また、本業が学習塾の企業が放課後児童クラブを開設し、学習支援も行うという例もこの数年間でいくつか見聞きするようになりました。

 が、「遊び及び生活の場」である放課後児童クラブにおいては、まだまだ、宿題以外の学習支援、学習時間のフォローは限定的です。宿題についても「やる、やらないは最終的に子どもの判断」ということで家庭に理解を得てもらっているケースが相当あると思われます。

 私は、放課後児童クラブにおける学習支援は、もっと積極的に行ったほうが良いと考えます。もちろん、学習塾ではないですし、民間学童保育所のように事業の中核ともなりません。ただ、「宿題のみ」という状態からはもう少し、学習時間を確保するほうが、これからの時代の放課後児童クラブに必要だと考えているのです。

 理由としては「保護者のニーズが高い」ことが1つ。放課後児童クラブは社会のニーズがあるから存在しているのですが、社会のニーズとはつまるところ、働く保護者のニーズのことです。そのニーズに応じていく必要があります。

 そしてもっとも大事にしていきたいのが、貧困の状態が拡大していく中、学習機会を持てない世帯も増えているため、そのような世帯の子どもたちに「学習機会」を確保することが児童福祉の観点で重要である、ということです。つまり、育成支援として行う子どもたちの支援、援助に、「学習機会提供の支援」も付け加えてはどうか、と考えているのです。

 もちろん、保護者が「自宅で学習時間を確保しています」ということであれば、クラブでの学習時間を確保する必要は薄いでしょう。しかし、「忙しくて自宅で学習時間が確保できない」や、「生活に余裕がなくて、子どもに勉強をさせるほど気が回らない」という世帯のお子さんには、放課後児童クラブで学習機会を提供することで、子どもの学校生活を支え、保護者の心配も緩和できると私は考えます。

 費用の問題があります。貧困世帯であれば学習機会に関する追加料金の支払いは困難であることが考えられます。その点は、共助の観点から、薄く広く、学童保育所の利用者から徴収することと、事業の生産性を向上して費用をねん出するという双方の取り組みで解決に取り組むべきでしょう。

 子どもの主体性や創造性を育む「遊び」を放課後児童クラブにおいて重要視することは今後ももちろん大事なことです。多くの放課後児童クラブの運営主体に際しては、それにプラスして、児童福祉のさらなる充実を目指し、学習機会を提供することをぜひ、積極的に考えてほしいと願っています。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の将来を見据え、種々のアップデートのため提言を重ねています。学童保育の運営のあらゆる場面に関して、豊富な実例をもとに、その運営組織や地域に見合った方策について、その設定のお手伝いすることが可能です。

 育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

 (このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば、当ブログの引用はご自由になさってください)